2015年01月16日

住民監査請求に対する山下市長の弁明は通用しない

(昨日の続き)

 小牧市が小牧駅前(A街区)の市有地を随意契約で東春信用金庫に売却したのは違法、不当だとして昨日(15日)小牧市監査委員に住民監査請求をしたことについて、本日の中日新聞、朝日新聞で報じられました。
 中日新聞の記事は「市有地売却で損害 小牧の男性 住民監査請求」という見出しで報じました。
(1月16日中日新聞朝刊16面)
 小牧市が名鉄小牧駅の市有地を東春信用金庫に売却した処分をめぐり、不当に廉価だったため市に損害を与えたとして、市内の70代会社経営男性が15日、損害額とする1億5301万円を山下史守朗市長が市に支払うことを求めた住民監査請求書を市監査委員に提出した。
 請求書や代理人弁護士によると、2013年4月、1億2461万円で市有地916平方bを東春信用金庫に1坪約45万円で売却した。しかし、この市有地に隣接する民有地が07年2月、マンション建設会社に売却された際は1坪約100万円だったとして、差額が市への損害額になると主張している。
 監査委員は60日以内に、請求が適合かどうかを審査し、適合なら容認または棄却の判断を示す。
 山下市長は会見し、「手続きも売却価格も問題ないと考えている。東春信用金庫への売却が市の利益になると判断した」と述べた。
(以上)
※朝日新聞の記事も同様です。
 
 私は、昨日のブログを投稿して以降、種々の情報をいただいたり集めたりしたので、それを整理して市民の皆さまに報告いたします。
 山下市長の「手続きも売却価格も問題ない・・・」は、通用するでしょうか。

★東春信用金庫への市有地売却の経緯
平成24年9月3日:東春信用金庫が小牧市へ市有地払下げ要望書を提出

平成25年1月17日:小牧市が東春信用金庫に上記要望書に対して回答

平成25年2月27日:東春信用金庫が小牧市へ市有財産土地払下げ申請書を提出

平成25年3月28日:小牧市財産処分審査会へ付議

平成25年4月8日:小牧市と東春信用金庫が土地売買契約の締結

★住民監査請求書より
第1 請求の趣旨
1 事案の概要
 本件監査請求は、市長が市有地を随意契約で売却した行為が、違法・不当なものであるとして、当該売却行為により市が被った損害を市長に請求するものである。

2 対象財産
 所在:小牧市中央一丁目
 地番:231番1号
 地目:宅地
 地積:916.20u

3 当事者
(1)請求人は・・・(以下略)
(2)小牧市長山下史守朗は・・・(以下略)
(3)東春は・・・(以下略)
(4)合資会社メリー美容室は、美容室の経営、不動産貸付業を目的とした合資会社であり、対象財産売却当時も、現在も、市長はその有限責任社員であった。

4 問題となる処分
(1)平成25年4月8日、小牧市は東春に対し対象財産を1億2461万9000円で売却した。
(2)
ア 本件売買契約は、市と東春1社の随意契約により行われている。

イ 公有財産の売却につき、例外的に随意契約により行える場合として、地方自治法234条2項、及びそれを受けた地方自治法施行令167条の2第1号、及び同別表第5においては、財産の売り払いについて市町村の場合、売却価格が30万円を超えない場合とされている。

ウ また、上記地方自治法施行令を受けて、小牧市は小牧市普通財産土地の売払いに関する要綱第4条本文において、土地の売払いは原則として一般競争入札により処分するものとしている。そして、本件要綱においては、例外的に随意契約ができる場合として(1)ないし(6)を規定するとともに、(7)において後述の平成24年改正前の本件要綱においては、「前号に準ずる場合として市長が認める場合」と規定されていた。

エ 本件要綱は、平成24年24小財第180号により改正されており(平成24年6月8日から施行)、改正後の本件要綱では、第4条(7)は「前各号に掲げるもののほか市長が必要と認める場合」に随意契約による財産の処分ができるようになっている。

オ 本件売買契約は、改定後要綱の第4条(7)号に基づいて行われたとのことである。
※小牧市普通財産土地の売払いに関する要綱については、改正前後を対比して詳しく後述いたします。

(3) また、本件売買契約は議会の議決を経ておらず、市長の専権により行われている。
 すなわち、小牧市議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例によれば、市所有の財産の処分ととして、予定価格2000万円以上のものに限るとされているが、土地については1件5000u以上のものに限るとされているため、916.20u対象財産は議会の議決を経ず市長の専権で処分された。

5 違法不当性を基礎づける事実1
(1) 対象財産は、いわゆる小牧駅前A街区に属する小牧駅前の中心市街地の一等地に所在し、一般競争入札により処分した場合には、より高額で処分されることが予想される。なお、一つの取引事例であるが、対象財産の隣地が平成19年2月18日に株式会社大京に売却されているが、その売却価格は坪100万円とのことであり、仮にそれが事実であれば対象財産の売却価格は上記取引事例と比較して著しく廉価といわざるを得ない。

(2)かかる廉価での財産処分がされた原因は、本件を随意契約としたことにあるというべきだが、地方自治法及び同施行令上、本件売買契約を随意契約として正当化する根拠はなく、改正前の要綱においてもそれを容認する条項は見当たらない。
 市長は改正後の要綱第4条(7)号により随意契約を行っているとのことであるが、改正後の同号は地方自治法が随意契約を制限している趣旨に反し、市長が認める場合には何らの制限なく随意契約を認めるものであり、かかる要綱自体の改正自体も違法不当なものであり、その違法不当に改正された要綱は、本件売買契約を随意契約として容認する根拠とはならない。
 そのため、市長は対象財産を売却するにあたっては、地方自治法の原則通り一般競争入札によるべきであったところ、正当化根拠なく随意契約により対象財産を売却した市長の職務執行は、地方自治法、同施行令に反する違法・不当なものと言わざるをえない。

6 違法不当性を基礎づける事実2
(1) 市長は本件売買契約当時も、現在もメリーの有限責任社員を務めているところ、メリーは東春に対して平成22年8月6日に限度額1億5000万円の根抵当権を設定していた。本件抵当権は平成27年1月14日時点においても抹消されずに存続していることに鑑みれば、本売買契約当時、メリーは東春から多額の借入を行っていたことが強く推認される。

(2) また、本件抵当権の設定と同日に、複数の根抵当権及び抵当権が抹消されているが、抹消された根抵当権うち一つは市長を債務者とするものであった。
 したがって、本件根抵当権設定時にメリーが東春から借り入れた金銭により市長の債務が弁済されていることが強く推認され、本件根抵当権設定時の借入は、実質的には借入名義を市長からメリーに変更したものに過ぎず、本件売買契約当時にメリーが東春に負っていた債務の一部は実質的には市長個人の負債であったとも評価できる。

(3)このように市長が役員を務めるメリーが、東春から多額の借入を行っている一方で、その借入先である東東春に対し、市長が随意契約で競争相手無く駅前のA街区の一等地を取得させるという利益や、安い売買価格と思われる価格で東春が対象財産を取得させるという利益を供与することは、市長の職務の公正さを欠くものと言わざるを得ず、地方自治法の趣旨を没却する違法不当な財産の処分と言わざるを得ない。

7 損害
 前述のように、対象財産は駅前A街区の一等地であり、一般競争入札によった場合、本件売却価格よりも高額で売却できたことが予想されることから、その差額は市長の違法不当な財産処分により市が被った損害であるというべきである。
 かかる損害の額を算定することは困難であるが、対象財産が一般競争入札により売却された場合には、既述の取引事例を参考にすれば坪当たり100万円、トータル2億7763万6363円で売却できた可能性もあったというべきである。
 そのため、上記価格と実際の売却価格である1億2461万9000円との差額である1億5301万7363円の損害が市に発生したと評価できる。

8 地方自治法242条2項の「正当な理由」
 本監査請求は、本件売買契約日である平成25年4月8日から1年を経過した後に行うものであるが、本件売買契約に先立って、市長が認める場合には随意契約ができるよう要綱を改正したことについては、何ら市民に明らかにされておらず、また市長が役員を務めるメリーが本件売買契約の当事者である東春から借入れを行っていた事実についても、何ら市民に明らかにされていなかったところ、市民である請求者は本件売買契約日から1年以上経過した後の平成27年1月上旬に発行された、輝く小牧を創る会作成のビラを見て初めて上記事実を知ったものであり、本件売買契約から1年以内に本監査請求を行うことは困難であった。
 よって、地方自治法242条2項但し書きの正当な理由が認められるといえる。
※住民監査請求は、当該行為のあった日又は終わった日から1年を経過した時は、これをすることが出来ません。ただし、請求がこの期間内にできなかったことに正当な理由がある時は認められます。(総務省ホームページより)

第2 求める措置
 市長は、市に対し1億5301万7363円を支払う。

                      (以上)

★小牧市普通財産土地の売払いに関する要綱の改正点
−改正前−
(処分方法)
第4条 土地の売払いは、原則として、一般競争入札によるものとする。ただし、次に掲げるばあいは、随意契約によることができるものとする。
(1)公用、公共用又は公益事業の用に供するため必要とする土地を国、公共団体又は事業者に売払う場合

(2)公共事業に用地を提供した者に、その用地に大替地として土地を売払う場合

(3)形状が不整形又はおおむね100坪未満のため、単独で利用することが困難な土地を当該土地に隣接する土地所有者に売払う場合

(4)居住用地として現に貸し付けている土地を、借り受けている者に居住用地として最小限必要な土地に限り売払う場合

(5)永続的に使用に耐える建物又は堅固な構造物の敷地として貸し付けた土地を当該建物又は構造物の所有者に売払う場合

(6)入札の不成立、落札者の権利放棄等のため入札により売り払うことのできなかった土地を売払う場合

(7)前各号に準ずる場合として市長が認める場合
(以上)

 問題の市有地については、上記(1)〜(6)及び(7)に該当しませんので、東春信用金庫に随意契約で売り払うことはできません。
 山下市長は、東春信用金庫に随意契約で売り払うために要綱をどのように改正したのでしょうか?
−改正後−
(1)〜(6)は改正前と同じ。
(7)前各号に掲げるもののほか市長が必要と認める場合
(以上)

 改正前の(7)は「前各号に準ずる場合として市長が認める場合」でしたが、改正後には「前各号に掲げるもののほか市長が必要と認める場合」としてしまいましたので、(1)〜(6)の条文とは関係なく、市長が必要と認めた場合には随意契約で売払うことが出来るとしてしまったのです。
 まさに、要綱の処分方法に関する第4条を骨抜きにしてしまったのです。

 山下市長、昨日の会見で「手続きも売却価格も問題ない・・・」と弁明されたそうですが、小牧市民は誰一人として「なるほど・・・」と、納得していませんよ。
 さらにその陰に、諸々の事柄が潜んでいる可能性もありますね・・・。

(お詫び)
 1月6日のブログ「市有地売却に係わる山下市長の不公正な行為」において、小牧市普通財産土地の売払いに関する要綱の改正について、私の誤認により間違った記述をいたしました。
 1月6日の記事の該当部分を取り消すとともに、謹んでお詫び申し上げます。
ラベル:小牧市 地方自治
posted by お好みシェフ at 15:04| Comment(0) | 地方自治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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